連れて行ってはくれない

東京ではほぼ、桜も散ってしまいました。

これから暖かくなり、いい季節と思うのに、

桜が終わると毎年何とも言えずさみしくなります。

(これは今日の写真ですが、いわゆる染井吉野とは違う品種の桜のようです)

 

ですが春がスタートの時期であることは間違いない。

自分自身にはこれといった切り替えはないものの、

電車の中や町には「新人さん」があふれていて、

そうですよ。

誰にでもそういう時期はあるのです。

もしくはあったのです。

 

私は最近「ぞんび」というバンドを好きになり、

ライブに行ったりCDを聴いたりしています。

彼らはゴールデンボンバーの事務所に昨夏所属したのがきっかけで知りました。

昨年2月にはドラムが、6月にはボーカルが変わるといった大変動の年だったようです。

 

まだまだ情報が少ないので色々ネットで調べたりするうち、

前・ボーカルだったメンバーのブログを読む機会がありました。

 

「ぞんび」はベースの青井ミドリさんが作ったバンドで、

名前も「普通じゃつまらない」からということでこんなインパクトのあるものみたいです。

脱退発表直後のブログで、

前・ボーカルのatomさんはそんなミドリさんのことを天才とよび、

「初めて出会った時からこの人について行けば、

夢であったプロのボーカリストになれると思った」

と、書いていました。

 

実際、ミドリさんはボーカリストとして一人前になるよう尽力したようで、

「atomという存在は青井ミドリとぞんびが作った」とも書かれています。

 

でもなんだろうな。彼は脱退を選びました。

その後は新たな道で歌っているようですが。

 

私は「この人について行けば」

というところを読んでハッとしました。

こういう考え方、自分もしていると思ったからです。

 

時々「この人はすごいな!」と感じざるを得ない人っています。

その人と一緒にいれば、その人が自分のことも引き上げてくれるような、

自分もすごい人になれるような錯覚に陥る。

でもよく考えてみりゃそんなことはないのはすぐにわかるのに。

 

その人から学べることは多いしヒントもたくさんもらえるのかもしれないけれど、

目指すものに近づけるか、ステップアップ出来るかどうかは、それは自分次第で、

それ以外の何ものでもない。

ダイヤの原石が磨かなければ光らないのと同じ。

 

こういうときによく「努力」という言葉が出ますが、

私はそれだけで片づけられるものではないと思います。

その「なりたいもの」「やりたいこと」「目指すもの」が、

自分に合っているのかどうかも、見極めが必要だなと。

そして「努力の方向」が違っていてもまたしょうがない。

例えば身長154cmの私が努力して180cmになれるのかと。

ではなく154を生かしたり、不足の身長をどう補ったらいいか?を

考えて実行することを怠っちゃいけないんじゃないかな。

 

「この人について行けば」は、

この人が私の背を伸ばしてくれるかも!

と思うのに似ているような。

少なくとも私はそうだった気がします。

 

脱退後atomさんはなんとホストになりました。

そこは音楽をやりたい人が、稼ぎつつ、バンドもやれて、

を目玉にしたライブステージのあるホストクラブだそうで、

元ビジュアル系バンドのメンバーが、

ミュージシャンにあまりにもお金が入らない仕組みを変えたい、と作った組織だそうです。

本人自身ホストに抵抗はあったそう。

そうよね…チャラいイメージは正直あります!

 

そういう商売上、弱音や本音はまた吐きにくくなったかもしれない。

でっかい口を利くことがいいのかもしれない。

ですが今は、「ついて行くではなく、自ら作り上げたい」という気を持っているようです。

だったらそのまま突っ走って高みを目指して欲しいですよね。

 

私は今のぞんびしか知らないし、今のバンドをいいなと思うので前任者にあまり思い入れはなかったのですが、

こんな風に考えさせられるとは思わなかった。

我が身を振り返るいいきっかけになりました。

ぞんびに、atomさんに感謝したい気分です。

せっかく四月だし、自分の頭の中も整理して、

リスタートしましょうかね。