小さい頃、友だちのお母さんはいまのように「○○ちゃんママ」という呼び方ではなく、
「○○ちゃんのおばちゃん」
でした。
お母さんの方も「おばちゃんが見ててあげるから行っといで」とか、
「おばちゃんがやってあげようか」とかいった感じでした。
お互いが納得して言っている「おばちゃん」には悪意もなにもなく、
あったかい言葉だった気がします。
そんななので甥っ子が生まれたとき、「おばちゃん」と呼ばれることに抵抗はなく、
むしろ面白いので「おばさまとお呼び」などと言っていたら、
電車の中で「おばさま~!」と大声で呼ばれとても恥ずかしく、
導き方を間違えた…と非常に反省しました。
と、いうのがベースにあってですね。
とはいうものの、
自分のことを「おばちゃんだから…」と言ってしまうのはなんだか違うんじゃないかな、
とあるころから感じ始めました。
そう言われたら相手は「そうですね」とは言えない。なんて言っていいか気を遣うし、
言った本人だってどうせ否定して欲しいわけで。
むろん、そんなことは考えずに「ただ本当にそうだから」というので
言う人もあるでしょうけれど。
そんなある日。
友だちとイタリア人のやっているチーズ屋さんに行ったことがありました。
というととてもオシャレな空気が漂いますが、
お店はどちらかというと素っ気ない、プレハブみたいな建物で、
でもとっても美味しいので何度か連れて行ってもらったのです。
そこの店主(名前忘れたので仮にマリオとする)のおじさんは、
チーズ作り命!な人で、
片言ながら色々と説明をしてくれていました。
その会話の中でなんでだったかは全く忘れてしまったのですが、
ふと友だちが自分のことを「おばちゃんだから…」と言ったら、
マリオは急に真剣な顔になり、
「自分のことをそんな風に言ってはいけない」と、
何度も諭すのでした。
あまり言うので、友だちが「すいません」て感じになるくらい。
でもこのとき思ったのです。
あ、やっぱり自分のことを「おばちゃんだから」と言わない方がいい、
ってのは合ってたのかな?と。
マリオは多分「女性は一生女性である」「自分をさげる必要はない」的なことを話していたように思うのですが、
記憶は定かでない。
でもとにかく、マメに女性を口説くというイタリア男が言ってるんだから、
なんか、
間違いないに違いない!そう感じました。
ちなみにね、その友だちは全然おばさんぽくなんかない人で、
私も「何故そんなことを言ったのかな?」と思うくらいなんですよね。
まぁ、年齢を階級別にするとそうなるかもなんだけど。
でも見てりゃぁ、小学生でもない中学生でもない大学生でもないくらいはわかるんだろうから、
あとはもう別にいい。
自分は超魅力的だくらい思っておけばいいんですよね思うだけならタダだし、
迷惑かけないし。
と、ふと思い出したので書きました。
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